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INTERVIEW

 

現場の声 インタビュー⑤

渭南病院リハビリ

西尾瑞枝 氏

 
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- 土佐清水市の好きなところ・魅力 -

 私は山育ちなので魚が美味しい港町には感動しています。

 土佐清水市で暮らすようになって驚いたことは、お正月やお盆、法事など亡くなった人のことを大事にするところです。

 法事のたびに集まってはワイワイ飲んだり食べたりすることも、何か作っては近所に配ることも、人のつながりが濃い地域の魅力だと感じています。

 そういう「しきたり」や「地域行事」を覚えて参加することは、認知症予防や介護予防につながっていると思います。

 

- 土佐清水市で理学療法士として働くやりがいは? -

 この土地ならではの環境のハードさがあります。

土間で段差が高い構造や、浴室やトイレが屋外の家もある。浴槽が深かったり、自宅が坂の上にあることも多い。

 長年暮らしてきた環境をできるだけ変えずに、障害や症状にあわせ生活できるように

関わるところにはやりがいを感じます。

 病院にいることで、様々な症状の患者さんに出会えることも経験になります。みなさんが「自宅に帰りたい」と希望があるとき、病院内の移動とは全く違う環境なので、機能だけにアプローチしてもだめで、生活動作や生活環境にアプローチしていくことで、元の暮らしに近づいていく方をみるときに、嬉しさや喜びが大きいです。

 それに、患者さんの暮らしに関わるときには、理学療法士以外の様々な職種や分野の人とも関わることができ、つながりが広がっていくのもやりがいを感じます。

 家の構造や立地条件、移動手段の問題など、高齢者や障害がある場合には暮らすこと自体がハードな地域が多いです。

 例えば都会で自宅はバリアフリーであれば、横断歩道を渡る速さが必要で平地を速く歩くためのリハビリがいりますが、ここでは、段差を昇降すること、畑まで行ってしゃがんで動作すること、バスに乗り降りするなど、一人ひとりの暮らしにあったリハビリを行っていくことがセラピストに求められている力量だと思います。

- 土佐清水市で働き感じる課題と困難さ -

 

 セラピストの役割は「元の暮らしに戻していく」ことです。本人が自宅に帰ること

を望んでいて、自分たちが機能的にまだ自宅で暮らせる状態と見立てていても、実際

には家族環境や介護サービス不足などにより、在宅生活をあきらめる場面も多いです。

 本人の希望を日々聞きながら治療に加わっているので、その気持ちが叶えられないと

きには、残念な気持ちになることもあります。家族と方向性を検討する場面に、もう

少しセラピストが関わっていくことができないかと考えさせられます。

 「最期まで自宅にいたい」という本人の思いが尊重されるといいと思います

- 清水でみんなができること、やってみたいこと -

 「足がない、人もいない、お金もない」中でやれることとして、地区に出向いてお

こなう出張リハビリ、移動式のジムのような活動がしたいです。

 運動の機会は、高齢者だけでなく成人も子どもにも必要で、生活習慣病を予防することが大切だと思います。

自分たちがボランティアをしているときに思うことですが子どもを連れていくと、高齢者の表情が全然違います。子どもと高齢者を結びつけていくこと、学校や部活と地域活動をつなげていくことも、効果的だと思います。

 「しみずに来れば元気になれる。老後を過ごすならしみずがいい」と思ってもらえるようになって、清水に来てくれる人が増えるといいなと思います。

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同病院で活躍しているご夫婦でインタビューさせてもらいました。

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