INTERVIEW
現場の声 インタビュー⑥
渭南病院管理栄養士
黒石美由紀 氏
- 土佐清水市の好きなところ・魅力 -
新卒で渭南病院に入職し、どの海もとてもきれいで、色々なところに行きました。
土佐清水の人は、みんなが正直で他人ごとにしない印象があります。
濃い繋がりが苦手な方もいると思いますが、私はすきなので楽しいです。
そういった地域のつながりがあるからこそ成り立っている今があると感じます。
40代50代の働き盛り世代も、地域のことや地元のことを考え戻ってきている。
田舎やけんとあきらめずに、ここに暮らしてできることをやっている姿に「すごいな」と思います。
- 土佐清水市で管理栄養士として働くやりがいは? -
栄養士の仕事は「食べたいものを食べ続けられるようにすること」です。
病院でも自宅でも病気でも何歳になっても、いかに食べたいものをライフスタイルに
あわせて食べられるようにするかがやりがいです。
制限するのではなく、どうすれば一口でも食べることができるのかを考え支援しています。
胃ろうで口から食べることは危険とされていた方が、はちみつをひと匙食べられた
ときの本人の喜び、その姿をみた家族が本人以上に喜んでくれたこともありました。
高齢でもがん末期の状況でも、「食べられないこと」をあきらめるのでなく、一口
でも食べたいものを味わえるようにすることが栄養士のやりがいです。
また、栄養状態がよくなってやりたいことができるようになる姿が見られることも喜
びです。
「家族で花見に行きたい」などやりたいことができるための体力づくりにも
関わることができると思います。
- 土佐清水市で働き感じる課題と困難さ -
課題と言われると、あらゆる専門職が少ない現状がありますが、無いなりに手を打
っていくしかないと思っています。
「高齢になると食べる量が減ることはあたりまえ」ということを受け入れにくい現状
を感じます。体が受け付けなくなることは自然なことなので、家族だけでなく関係機
関にも理解してもらうことが必要だと感じます。
老いによる食事量の低下を自然なこととして受け入れること、最期の一口まで味わ
えるためにも負担をかけずに大事にケアしていくことが大切です。
院内では、少しずつ「食べれなくなっている」方に出会うときに、各専門職が評価し
関わることがスムーズになってきています。
言語聴覚士や歯科との連携も重要です。
院内だけでなく退院後も施設でも在宅でも栄養士が食べることを支援できる体制に
する必要があります。
- 清水でみんなができること、やってみたいこと -
「どこにいても、最期まで無理せず食べたいものを食べて過ごせるようにしたい」
自宅でも施設でも訪問して一緒に考えていきたい。
院内だけではなく、幡多管内どこでも依頼があるところにいけるようなステーションにできれば、幅広く支援する体制ができると思います。
「口から食べるときのリスク」ではなく「どうすれば一口でも食べられるのか」を
多職種と連携しながら考え支援できるようにしたい。
まず今できることとしては、施設によって提供されている食事形態が違うので、これ
らをまとめた「食事形態マップ」のようなもの、「最期まで口から食べるパス」のよ
うなものを作っていけたらと思っています。